当直医

実はボクは胸をわずらっておりまして、今日は特に大いにわずらってしまいました。
今日はもちろんお仕事だったわけなんですが、ボクのプロジェクトの他のメンバーたちが定時でみんなキレイさっぱりだれもいなくなるというミラクルが起こりまして、ボクだけポツネンといつまでも給食が食べきれない子のように残された感だったのです。
ボク的にはそういうことはあまり気にしないというか、逆にボクのほかに誰もいない空間ができあがったということに喜び、そのあまりの開放感にウワーッと大きな伸びをしてしまったところ、突如として胸がキュッと締めつけられるような痛みに襲われまして、ボクの動きは十数分止まっていたのですが、誰も周りにいないためその様子を咎めるものはおりませんでした。十数分ずっとわずかに体が傾いたままだったよ。
ほんのちょっとマジでオレの人生がここまでなのかと思ったよ。
そうです。ボクの胸わずらいというのは、別名「大動脈弁閉鎖不全症」というものなのです。COI(コイ)かと思った?わっはっは。
実は、「大動脈弁閉鎖不全症」とは、大学に入ったときに診断を受けた時点で判明しており、もはや10年ほどのおつきあいをしている腐れ縁なのですが、今まで若干の運動によるドキドキ感レベルはあったものの、ここまで心臓がキュッと締めつけられるという現象は発生したことはなく、半年に1回くらいの経過観察だけで、何事もなく過ごしてきていたのでした。
十数分して痛みも和らいだので、ちょっと外の空気に当たっていたところ、完全回復したのでとりあえずよかったのですが、やはりいくら楽天家なボクではあっても、言いしれない不安を感じたので、ワタクシのかかりつけの病院でもある会社の病院方面に電話したところ、なんかやたら保留されるわ、かけなおしを指示されるわ、やっと電話に出た当直医は「あー、とりあえず痛みも治まったなら大丈夫だと思うんで、今日は早めに仕事は終わらせて、お酒とかは飲まずにゆっくり休んでください。」と。
いや、もう帰る気マンマンだったし、お酒は一人では絶対飲まない人だし、明日はお休みだからゆっくり休むよ。というわけで、「My Doctorにそういう症状が出たことだけ伝えといてよ。」と依頼したところ、「ナースを通じて伝えておきます。」と。
"ナースを通じて"とかいちいち余計なこと言わんでエエだろうに。
だから仕事ほって帰った。
今日は出だし軽めな調子で始めといて、実は後半メチャメチャ重い話題へと続くのであった。